2014/08/02

Pearl FAT TONE Hoop



“内巻きフープ”と呼ばれる、内側に折り返しを付けたトリプルフランジフープが
近年ドラム各社より発売されている。

元々はSlingerland社が1950年代に開発した
Stick saver hoopというオリジナルデザインだが
一般的なフープとは異なるサウンドを発するということで再注目を浴び
近年各社よりリバイバルしているという状況である。

各社争うように内巻きフープを発表した中で
一人だけ風変わりな異端児が現れた。
それがPearlが発表した「FAT TONE Hoop」である。


ヘミング加工と呼ばれる板金を180度折り曲げる技術をドラムフープに応用して作られている。
1.6mm厚の薄いプレスフープの上端だけ折り曲げて溶接しており
同部位のみ3mmを越え、ダイキャストフープ並みの厚さがある。

上部1/4で剛性を保ちつつ、下部3/4の薄い部分で締め付けすぎないオープンさを保つ構造。
基本的には薄いフープの音なのだが、適度に倍音コントロールされている。

薄いフープは豊かな鳴りが魅力だが、反面音が散り音像がぼやける側面を持つ。
長所を残しつつ、適度に音を締めるというアイディアは素晴らしく
またその効果は実証され、現在では現行のPearlの多くのモデルに採用されている。

愛用のスネアに装着し2年ほど使用しているが、そのコンコンしたサウンドは絶品。
“ファットトーン”というのは決して言い過ぎではない。
スネア以外にドラムセットにも付けてみたくなる。

間違いなく、Pearlさんの最高傑作の中のひとつではないかと思う。
Patentがなければぜひ台湾メーカーさんたちにも量産してほしい逸品。

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