2020/08/22

ASAMAドラムをご存知ですか?

 海外にいると、日本では見かけないドラム機材に遭遇する。
日本では流通していないものだったり、domesticなメーカーだったりするのだが
イギリスのメルカリ的なサイトを眺めていて、気になったのが、これ。


『ASAMA percussion』とは、なんぞや?
明らかに日本風の名前だが、初めて聞いた。


Made in Japanで、70〜80年代モノらしい。ラグにまでASAMAと書いてある衝撃。
ファンキーすぎる。

調べてみたら、日本国内での情報は無し。どうも、海外で売られていたドラムらしい。
アメリカ、ヨーロッパで所有している人が多い印象。
ネット上では、スネアだけでなく、セットの写真も時折見かける。

情報を集めてみると、確証はないものの、どうも当時の星野楽器が作っていたらしく
海外向けのステンシルドラムの一部だったのでは、という説が有力。
確かに、見た目はTAMAらしい雰囲気がかなり出ている。

ステンシルとは、ひとつのメーカーが様々なブランド名をつけて販売していたもの。
60~70年代は、当時の伝統的なアメリカのドラムメーカーは初心者向けのキットを生産しておらず
音楽人気、バンド人気の需要に合わせて、各国のdistributorが日本製の安価なドラムを売りまくっていた。
西洋圏から見ると、ちょうど現在中国が安価なドラムを世界に供給している状況と同じであっただろう。
バリエーションを増やすために、製造元は同じでも、様々なバッジをつけて、異なるブランドのようにして販売していた訳である。

やがて自分たちのオリジナルのまともな(?)高級ラインのドラムを開発、販売していくようになり
それにより急成長したPearl、Tama、Yamahaなどの日本企業は
現在ではトップ企業として、多くのシェアを誇るようになっている。

台湾のドラムメーカーで、MapexやDixonが世界的メーカーに成長してきたように
現在は無名な中国の楽器メーカーたちも、近い将来、立派なドラムブランドとして名を馳せていくのかも知れない。

日本に限らず、各国の楽器製造会社の黎明期の謎のドラムは、非常に魅力的。
品質はもちろん現代のほうが優れているが、デザインや雰囲気など、学べる点は多い。

4 件のコメント:

  1. 始めまして。カノウプス6本スナッピーについて調べていたら辿り着きました。
    当時のTAMAのステンシルドラムの中の一つ「ROYAL」のブラスと材の分からない木胴を持ってます。かなり改造してますが(笑)このような名前でも出していたのですね。実に面白いし深いですね。セカイモン等見ても本当に多いですよね。
    これからも面白く役に立つ記事を楽しみにしております。

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    1. taq.ogawaさま
      コメントをいただき、誠にありがとうございます。
      Royalのスネアとのことですが、TAMAのRoyal Starの前身でしょうか?実物は見たことがないのですが、たいへん興味深いです。
      TAMAは昔も今も、いつも“攻めて”いますね。現在では、国内メーカーの中で、最も洗練されたオシャレなドラムを作っていると思います。
      当ブログはいつも駄文ではございますが、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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    2. 返信有り難う御座います。
      TAMAは独自路線で非常に感心しており、個人的にも非常に縁のあるメーカーです。行き着くところは TAMAと言った感じで。ペダルもダイナシンクを使っております。
      ROYAL STARの直接の前身では無いと思いますが、其処から名称を持って来た事は間違い無いと思います。TAMAになる前の STARブランドにくっ付けた感じでしょうか。
      ROYALのスネアについてまとめてみましたので宜しければお読み頂けたら幸いです。

      https://note.com/taqqat/n/ne7d5c1236a52

      今後とも宜しくお願い致します。

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    3. taq.ogawaさま
      noteを拝見させていただきました。
      どちらのRoyalのスネアも素晴らしいですね!
      佇まいがとにかくかっこいいと思います。ラグも舶来品の模倣とは言え、オシャレです。
      日本のオールドの楽器も、醸し出される雰囲気がとても素敵です。現代の楽器ではなかなか真似できません。
      とても価値のある楽器だと思いますので、どうぞ末永くご愛用ください。

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