ドラムの演奏の楽しさって何だろう。
根っからのドラマーなら、基礎練習で練習台タカタカ叩いてても楽しいだろうけど
バンドの中で合奏することが、やはり最も楽しい瞬間ではないだろうか。
バンドに所属し、常に他パートと一緒に演奏できることが一番であるが
いつもバンドに所属しているとも限らず、その場合は
個人でスタジオ入りして、音源を聞きながらそれに合わせて叩くこともまた楽しい。
スタジオで音源を聞く方法であるが、ドラマーあるあるだけど
音楽プレーヤーを聞きながら叩こうと、再生してドラムプレイの中に混じると
ドラムの音がデカすぎて、全然音源が聞こえない。
プレーヤーの音量を最大にしたところで
やっぱりちゃんと聞こえなかったり、部分的にしか聞こえなかったり。
従って、音源を聞きながらドラムを叩くには
単純に、音源の音量を増幅する必要がある。
大音量で音源を鳴らすことを目的としたときに、最もシンプルな方法は
スタジオ内のPAシステムで、音源を流すことであろう。
しかし、ドラムを叩いている中でも十分に聞こえる音量というのは
相当の爆音であり、壁の薄いスタジオなんかでは、他の部屋に音漏れしてしまい
受付カウンターをはじめ、周りに迷惑がかかるレベル。
かける曲によっては、周りがかっこいいロックを演奏しているところで
加山雄三の『君といつまでも』を爆音で鳴らすことになり
その場合、なかなかの気まずさなのである。(実話)
となると、解決策は耳元で聞くこと、つまりイヤモニというか
ヘッドホンモニターシステムであろう。
スタジオのPAシステムに音源を接続して、PAシステムからの出力で
自分のヘッドホンに返す方法が理想的であるが
まぁ大抵のスタジオはPAシステムからドラマーまで距離が遠く、配線が届かない。
それをつなぐために、5メートルの延長ケーブルなんか毎度毎度持参してられない。
そもそも、スマホにしろMP3プレーヤーにしろ、手元で音源の操作ができないので
曲のたびにPAシステムまで移動しなければならず、いちいちそんなこともしてられない。
ということで、やっぱりドラマー個人の手元に音源を置いてモニターするしかないと。
ご存じのように、音量を増幅するためには、アンプが必要であり
手元に置くという意味では、ポータブルなヘッドフォンアンプが最も理想的である。
昔の話になるが、某楽器店の推奨する某コンパクトヘッドフォンアンプというものがあり
嬉々として購入して、MP3プレーヤーと接続して使ってみた。
しかし、まぁ音量の増幅の小さいこと。
音量マックスで増幅しても、ドラム叩いていたら、全然聞こえない。
ついでに申し上げると、手のひらサイズのコンパクトなアンプなんだけど
ACアダプター駆動なので、アダプターまで持ち歩くので荷物が全然コンパクトではない。
ということで、全く実用性がなく、お蔵入りした末にハードオフに売りさばかれた。
もっと出力が大きく、なおかつアダプター不要である電池か充電式の
ポータブルアンプが理想的と思われ、そういったタイプを探してみた。
実際、いくつか該当するポータブルアンプが売られていたが
ポータブルアンプというのは、元々音楽鑑賞用の機器であるため
爆音レベルにすることを目的にしていないので
どうしても、ドラム目的だといずれも出力が弱いのである。
そんな中で、ギターアンプで音を出してみたり、試行錯誤を重ねた末に
とある完璧な機器に出会い、最終的には、自分の理想のモニターシステムを構築できた。
と言っても新しい商品を購入したのではなく、自分が元々持っているもので解決したのである。
それは全く使用目的の異なる、『GRECO HPA-1』、通称Studio Gangである。
これは元々はギターの個人練習用のヘッドフォンアンプ。
自分のギター用に購入したものだったが、曲を聴きながらプレイするための
外部入力ジャックがあり、音源も同時出力できる。
そして、なぜかこれの音量増幅能力が半端ない(笑)。
最近は鼓膜と聴力保護の目的でドラム用耳栓をしているが
耳栓の上からヘッドフォンをかぶり、このアンプで音源を流すと
ドラムを叩いている音量下でも、たった中程度の増幅で
音源が爆音レベルに大きくなり、勘弁してくださいってくらいよく聞こえる。
耳栓をしているので、耳への負担も少なく、爆音ゆえに骨伝導まで伝わるため(笑)
どこまでも音量を上げる必要もない。
楽曲の種類、またドラムの音量に合わせて、適宜出力を調整でき
曲の中に自分のドラムをちょうどよいバランスで溶け込ませることができ、違和感がない。
音楽鑑賞用のヘッドホンアンプではないため、音質は良い訳ではないが
ドラム叩きながら聞くものなので、音質は一向に気にならない。
そして何より、単三電池2本の電池駆動であることがうれしい。
電池の減りも少なく、これならわざわざACアダプターを同伴する必要もない。
やばいくらいに条件が完璧だった。
好みもあると思うが、ドラマー諸兄にモニター用アンプとして
自信を持っておすすめできます。
が、悲しいことに、このHPA-1は現在廃盤という...。
昔は楽器店で投げ売りされていたのになぁ。
中古品なら結構出回っているので、興味のある方はぜひお試しを。
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