2021/11/18

裏方ヘッド

ドラムは経験を積むほど、音作りの中でドラムヘッドの選択が
どれだけ重要なファクターを占めているのか、痛感するものである。
ドラムの構造は膜と筒から成り、音を出しているのは基本ヘッドなので
当然と言えば当然なのかも知れない。

所有するスネアドラムの中で、いくつかのスネアには
スネアサイドヘッドに、厚めのRemo『Emperor Snare Side』を張っている。


触っただけで、通常のスネアサイドよりも厚いことが分かる。
ちなみに厚めのスネアサイドヘッドと言っても
打面用のクリアDiplomatよりは薄い。
打面用のクリアDiplomatは7.5milだが
サイドヘッドのEmperorは5milである。

個人的に、スネアの音は裏ヘッドの音がしっかり鳴っている音
つまり、裏ヘッドが効いている音が好きなのだが
サイドヘッドが厚い方が、やはり裏ヘッドの存在感は一歩前に出てくる。

またスナッピーの音がキンキンせずまろやかになる。
総じて、スネアの音が太くなるので、打面のほうも
Emperorなど厚めのものだと、相性がいいような気がする。

これとは逆に、Diplomatの薄いスネアサイドヘッドは
柔らかい音を期待したが、サイドヘッドの音のパリパリ感が増し
いまいち理想とはかけ離れていた。
Ambassadorは、まぁ可もなく不可もなく標準的。

特記事項と言えば、Emperor snare sideは厚いために
通常のスネアサイドほどフィルムが伸びない。
フィルムが伸びないくせに、通常の打面ヘッドほど耐久性もない。
したがって、普通のAmbassadorスネアサイドのノリで
裏面のハイテンションをかけていくと、一気に割れることがある。
扱いには少し注意を要する。ミシミシ言ってきたら要注意(笑)。

このように利点、短点とあるのだが、音が気に入っているので使っている。
厚いという点が高じて、耐久性が高い(であろう)ことにも期待したい。

2021/11/10

マイ・ハイハットクラッチ

使える頻度はともかくとして、自分のドラム機材は一式持っていたい人なので
学生時代から、ハードウェア類を含めて、ドラムセットを一式所有していた。

ハイハットスタンドについては、TAMAのベルトドライブのHH905から始まり
軽量で持ち運びに楽ちんで、シンプルで使いやすい、TAMA HH15Rを長年愛用していた。

TAMAのクラシックハイハットスタンド『HH55F』が発売されてからは
その佇まいに惚れ込み、3年くらい前から愛用している。

TAMA『HH55F』

実際にライブでも使用したりしているが、スタンドのハイハットクラッチについては
Pearlの『HCL-205QR』に交換して使用している。


数年前より、REMOやTAMAなど、各社スピーディーに付け替えできるクラッチが
販売されているが、現時点ではこのPearlのものが最も秀逸であると思っている。

こいつの特徴は
・ボトムナットの外し方が超絶シンプルで分かりやすい
・ロッドにクラッチを面接触で強力に固定できる
の2点である。



また、トップナットは位置を決めたら、それ以上動かないように
イモネジで締めこんで固定することもできる。
セッティングのメモリー機能的な側面があり、おかげで毎回安心して使用できる。



しいて欠点を挙げるとすれば...
トップナットの回りが渋く、異様に固い。
それが、緩みにくさの元になっているという噂もあるが
自分の場合は、潤滑オイルを塗布してナットの回りをスムーズにしている。


スタジオ備え付けのハイハットスタンドは、クラッチがすぐに緩んだり
フェルトが潰れていたり、大抵コンディションが悪いことが多い。
なので、以前から自前のハイハットクラッチを持ち込み、交換して使うことが多かった。
そして、今ではハイハットスタンドごとスタジオに持ち込むようにしていて
慣れ親しんだハードウェアでプレイするようにしている。

以前、ライブで対バンのドラマーさんが本番直前でハイハットクラッチが故障し
このクラッチをお貸しして、本番を演っていただいたこともあった。
ちゃんとした(?)ハイハットクラッチを持っていて良かったと思う瞬間である。

マイ・ハイハットクラッチを持っていると、確実に幸せになれる。
スタジオ入りの時は、ぜひポケットに忍ばせておくことをお勧めします。