ハードウェア類は、細くて軽いものを好むが
スネアスタンドだけは、安定性が求められるため
一定以上の強度を持つことを重視している。
スネアはドラムセットの打面の中で、最も叩かれる頻度が高い上に
さらにスネア本体の重量もあるため、スタンドの構造的には
さらにスネア本体の重量もあるため、スタンドの構造的には
角度調整部分、つまり、ティルターの安定度と
さらには、スネアバスケットとスタンドポールの位置関係が重要。
打撃を受け続けるスネアバスケットの位置は、ブーム構造ではなく
スネアバスケットの中心からスタンドのパイプまで
一直線になるほど、スタンドとしての安定度は高い。
現在では、バスケットと中心軸がずれているスネアスタンドがほとんどであるが
ヴィンテージと呼ばれる時代のスネアスタンドは、ほとんどがストレート構造であった。
ハードウェアの進化?の過程で、ギア式のティルターが巨大化し
徐々に中心軸とバスケットがずれる構造になってきたと思われる。
近代のスネアスタンドで、一直線のストレート構造のスネアスタンドと言えば
まず、Axis 『AX-VST』が思い起こされる。
Axis 『AX-VST』 |
Vortex Tripod Snare Drum Standという名前で、素材はアルミとスチール。
バスケット部位がそのまま外れて、スネアドラムに装着したまま
バスケットごとスネアケースにしまうことができるのが特徴だった。
これには裏の理由があって、バスケット部分を折りたたむことができないのだ。
だからこそ、タイコに付けっぱなしにするというコンセプト。
床への設置面積を広げるためという、樽状の足ゴムの構造も面白い。
いずれ試してみたいと思いつつ、いつの間にか廃版になってしまった。
現行品の中で、ストレート構造の代表格となる製品は
YAMAHA『SS950』だろう。
YAMAHA『SS950』 |
打撃をそのまま真っすぐスタンドポールが受け取る構造。
そして接続部は、YAMAHA伝統のボールクランプ。
ボールクランプって劣化するので使用を避けてるけれど
このストレートな構造であれば、ボールへの負荷もかなり少ないと思われる。
SS950だけと思いきや、実はストレート構造のスタンドは
色んなメーカーから出ており、AheadやMapexをはじめ
中華製の、いわゆるジェネリックと呼ばれるブランドにも散見される。
Ahead 『ASST』 |
Mapex 『SF1000』 |
実際にストレート構造のスネアスタンドを使っていないので何とも言えないが
ストレート構造ゆえに、激しく叩いても、スタンドが動いてしまうことは
少ないのではないかと思われる。
ストレート構造の短所は、一直線ゆえに折り曲げることができないので
折りたたむときにコンパクトにしにくい点。
あとは構造上、どうしてもバスケットの高さを極端に低くするのが難しい。
YAMAHA『SS950』が完全に二つに分離できる設計になっているのは
折りたためないことを回避するためのアイディアだろう。
現代の鋳造や加工技術では、軸がずれていても強度的にはなんら問題はない。
好きなものを選べばいいけど、物理的にはストレート構造が一番安心できるという話。
0 件のコメント:
コメントを投稿