2023/07/24

リエッジ・プロジェクト

ほぼ10年前に作った、このスネア。
14インチ、メイプルシェル、10テンション。


ドラムに秘められた可能性を、さらに追及すべく
一般的なベアリングエッジとは一線を画す
新しいエッジ形状を模索していた頃に作ったもの。

“ドラムヘッドとの密着度は高めた上で、ヘッドをバウンスさせる”
というコンセプトでベアリングエッジをデザインして
実際に具現化できた点は良かったが、なにせ音は全然気に入らなかった。

という訳で、ここらでエッジをリニューアルすることに。

どのみち、これは実験モデルであり、気に入らなければ
ベアリングエッジを切り直すつもりでいたので、深さ7インチで作っておいたのだ。
エッジを作り直しても、深さ6.5インチになる。

まずは、既存のエッジの切り落とし。
これをサンディングでやると死ぬほど大変なので、ノコギリで切り落とす。
しかし、これもまた、結構大変な作業だった。



エッジを切断後は、切断面の水平出し。
グレード00の石定盤を使って、完璧な水平に仕上げる。



その後は、ベアリングエッジの切削。
今回新しいルータービットを導入し、その間アイディアを温めておいた
全く新しいエッジタイプに挑戦。


ルーターで切っただけでは、まだ未完成。研磨をしないといけない。
切れまくるビットなので、エッジのとんがりもすごい。

サンディングを行い、エッジトップに少しアタリを付けると共に
表面を塗装していると思わせるくらい、滑らかに研磨する。

そして、無事に、設計通りのベアリングエッジの仕上がりとなる。


そして、各種パーツを取り付け。
もうスタンダードとなっている、ボルト関係の締め付けトルクの統一。
スクリュートルクは、すべて1.4Nで揃えた。


今回も実験なので、古いヘッドを付けようと思っていたが
新しいエッジの音を最大限評価すべく、トップもボトムも真新しいヘッドに。
新品ヘッドのパリッとした音は、最高である。



そして、完成。
しつこいようですが、ロゴバッジは、“仮”です。


いざ、スタジオで試奏。
うむ、一番気になっていたタッチは以前よりも良くなった。
良い音で鳴るけど、チューニングレンジは思ったよりも、狭い。

プレスフープとダイキャストフープのどちらも試したけど
結局、プレスフープのオープンさがあったほうが、このスネアには合ってるかな。


試したいエッジ形状が、あと4種類くらいあるが
ここから、さらに変えてみようかと。

2023/05/21

久々のレストア

やむを得ない長期間の保管により、状態が悪くなり
調整が必要となった、こちらの小口径スネア。

もうなんだかんだで、10年選手である。
活用の出番が来そうな感じもあり、久々にレストアを行う。

ドラムのレストアのコースは、自分の中で「松・竹・梅」に分けており(爆)
今回は竹コースで実施(謎)。


今回、初めてMeguiar's製のメタルポリッシュを試してみた。
海外のドラムビルダーたちがよく推奨しているやつ。


うーん、使ってみた感じ、個人的には普段使っているやつのほうがいいかな。
固形ポリッシュなので、ラグなどの立体構造に塗るには伸びが悪いかも。
もちろん、つるぴかになることに遜色はないのだが。


惚れ惚れするピカピカ具合。
写真にはないけど、フープなども全て研磨した。

この機会に、ラグのスクリューも全交換する。
オリジナルのステンレス製スクリュー&ワッシャー。


金属部品は、すべてシリコーンコーティングを行う。


金属部品がすべて仕上がり、シェルも磨いた上で、組み立てへ。
新しいスクリュー&ワッシャを装着。
もちろん、ラグの締め付けトルクは厳密に統一。



そして、完成の図。


磨くことにより、汚れを落とし、コーティングも施されているので
酸化は極力防止できるでしょう。

“高音だけでなく、低音や容積感も併せ持つ”という設計が
コンセプトの、この小口径スネア。
このヒップなサウンドを生かした、新鋭のセットを計画中である。

2023/01/29

オフィシャルロゴ

 10年ぶりに、ブログのタイトルロゴを変更いたしました。


末永く、よろしくお願い申し上げます。

2023/01/03

レッグレス・ハイハットスタンド その後

年末は仕事に追われていたが、年は明け、2023年。
今年もドラム道を邁進していきたいと思っている。

さっそく本題であるが、重すぎて持ち運びづらく
2.3kgもある脚を取り除くことにより、軽量化し
レッグレスとなった、DWのハイハットスタンドの後日談。


軽量化した後は、スタジオに毎回揚々と持ち込みして、活用。
脚なしでも割と安定しているので、普通に演奏できている。
実際のところ、左足を乗せている限り、倒れることはない。

しかし、ゴーストモーションによりぐらぐら揺れることもあるので
やっぱり補助用の脚を取り付けようかと、ずっと考えていた。

最初は、ドラムラックシステムのTレッグを
ハイハットスタンドの裏側に、アダプターを介して付けることを考えた。

Gibraltar SC-GPRMFTL

しかし、ラックシステムはハイハットスタンド以上に
パイプ径が太いことが分かった。
頑丈で安定性もありそうだが、持ち運びスタンドがもう一本増える形となり
荷物と重さが減らなければ本末転倒であるため、却下。

まぁ、あくまで軽く支えてくれればいいわけで
レッグは、ロッドなどの細いものでも平気ではないか。
がっつりとした脚というよりは、いわゆる自転車における補助輪みたいな。
アダプター付きエクステンションパイプや、シンバルのブームなど
何か活用できないか、いろいろ思案した。

そんな中で、手持ちにあったロッドタイプのバスドラムレッグ。
そして、はたまた使っていなかったTAMAのファストクランプ。


おや、こやつらは使えそうだぞ、と。

ちなみに、TAMAのファストクランプを取り付けるにあたり
DWのスタンドの下段のパイプが、だいぶ太いなと思って
測ったみたら、口径が32mmであった。
対する、クランプの最大対応径を確認してみると、28.6mm。

これはちょっと無理かなー、と思って試してみたところ、付けれたし!


これ、全然付けれるわ。
ただし、メーカーオフィシャル的には口径的に装着できないことになっており
おそらく保持力の問題とかが絡むと思われ、この使い方は推奨はしない。

そして、レッグを付けたら、いい感じの補助レッグに。
名付けて、『シングルレッグ・ロッキングシステム』


ちなみに、レッグはバスドラムレッグでなくても
フロアタムのレッグでもいいと思う。(試したい)


一本だけでいいの?と言われそうだが
通常右手でハイハットを叩くので、力が加わる向きは
ドラマーから見て、スタンドの左前方向。
なので、エネルギーの加わる対側を支えていれば、まずは安心である。
ペダルの向きと水平方向には、構造上、倒れることはない。

さらには、クランプで取り付けているので
回転させて、脚の向きを自由に変えることができる。


レッグを外側に向けるほど、スタンドとしては安定する。
周りのシンバルスタンドの位置や、安定度の好みにより
レッグの位置を変えることができるのは、アドバンテージ。


単体でもしっかり自立するハイハットスタンドのレッグは
実は、こんな感じでシンプルなもので十分なのかも知れない。

軽量化できて、ルックスも良く、大満足である。お試しあれ。

2022/11/09

道具は哲学である パート2

ドラムのラグスクリューに用いるラチェットについて。
大昔にこんな投稿をしたのだが、現状をアップデート。


ドラムシェルのラグについているスクリューは
一般的にはプラスドライバーで開け閉めするのだが
ラチェットを使った方が、圧倒的に作業効率が良いことは先述の通り。

その間、工具に対する自分の拘りも進化してきており
最近はこのようなものを使っている。


全長の長いものは、主に自宅で使う『ミリ規格用』『インチ規格用』
そして、ショートタイプの2本は『外部持ちだし用』である。

メインで使用しているラチェットは、コーケン製Wera製
どちらも1/4インチドライブであり、ハンドルもちょうど良い長さである。



最もよく使う、ミリ規格スクリュー用は、コーケン製。


他社の追随を許さない、軽快な空転トルクが特徴であり
その使用感は、神レベル。
これを使うと他のラチェットを使う気になれない。
故に、長い間メインラチェットとして君臨。

クイックスピンナーは、アストロプロダクツ製を装着。
スクリューの早回しをするために必須。



クイックスピンナーは、コーケン純正を含めて色々使ってきたけど
結局は古巣に戻るというか、厚みがあって軽量な
アストロプロダクツ製が最も使用感が良い、という結論に。
今は、これ以外ちょっと考えられない。


そして、インチ規格スクリュー用のWera製ラチェット。
海外製(というかアメリカ製)のドラムをいじるときに使用。


インチ規格として使う時は、メインのラチェットの
ソケット部分だけをインチ仕様に交換すればええやん、という話なのだが
めんどい。そういうのめんどい。
ラチェットごと、インチ専用として別に用意したほうが良い。

インチ専用として、視覚的にもメインラチェットとの差別化をはかろうと思い
こちらは全く別のメーカー製を選択。
インチ規格なので、どうせならラチェットも海外製に(笑)。


ドイツ工具らしく、表面は梨地仕上げ。
クイックスピンナーはメイン同様に、アストロ製で。


ラチェット本体は、まぁミリもインチも関係ないのだが
装着しているソケットで、規格を使い分けている次第。



さて次に、外部持ちだし用のラチェットだが、これらは
携帯性を求めていずれも軽量、コンパクトな、ショートタイプにしている。


メインに比べると、これだけ短い。



うん、分かってる。出先でスクリューいじることって、ほぼ無い。
でも、ごくたまに、スタジオのタムのスクリューが緩んでいたり
外れてるときがあって、そんな困ったときのために必要。

こちらも、ミリ規格とインチ規格で使い分けている。
ミリ仕様は、コーケン製。



インチ仕様は、Hazet製。
この中では一番コンパクトなサイズである。
梨地が素敵である。




そして、ラチェットに付けているソケットは、すべてコーケン製である。
すべて1/4インチ仕様で、複数種類用意がある。


1/4インチ規格の工具は、その小ささ故に
精密なソケット設計と加工技術が求められるが
国内、海外ソケットメーカー含めて、コーケンの技術が随一であると思っている。

ドラムメーカーが採用しているスクリューって
機械製品ではないためか、割と精度が悪く(特に海外製)
適するソケットを嵌めても、なめてしまうことがある。

他社ソケットでなめてしまうスクリューでも、コーケンソケットだけは
嵌め合いが抜群に良く、決してネジをなめない。
そういった経験から、自分はコーケン製以外のソケットは使わなくなった。


この中で、代表的なソケットを3本。


まずは、普段使いの標準の6角仕様。
ソケットの高さが低いタイプで、操作感良し。


そして、12角仕様。
6角頭角に対して多角はやっぱりスッとフィットする。


あとは、サーフェイスソケット。
角ではなく、対辺に面接触して力が加わるタイプのソケット。


極まれに、古いドラムの中で、スクリューが錆びていたり
角が丸くなっている頭角に遭遇することがあり、そのために所持。
しかしながら、普段使いにも使えて、標準6角よりも嵌めやすい利点もあり。

こんなふうに、要所要所で色々使い分けている。


ドラム色が1ミリも感じられない記事となったが(笑)
これ、すべてドラムに使うものである。

良い道具を使うほど、作業は心穏やかに行うことができる。
無上の工具に巡り合えると、幸せである。