2025/02/08

軽量化のご提案

久々のブログ執筆である。
2024年は、実は1件も投稿していないことが判明。
しかし、毎月それなりのアクセスがあり、読者の方々に申し訳ない気持ち。
意を決して、2025年第一弾投稿。

昨年末に、日本へ戻った際に、複数名のドラマーの方に
ドブリー・クアトロドラムチューニングキーを試していただいた。

自分が使っている、メインのドラムキー

一番多いネガティブインプレッションが、重いという意見。

開発者としては、重いことをメリットと考えているが
一般のチューニングキーから持ち替えると、重く、違和感を感じ
扱いづらいとなることは、当然のことだと思う。

オプションとして、軽量化の選択肢があることに越したことはなく
軽く使いたい!という方々のために、何かいい方法はないものか、考えてみた。

本品の重さの多くを占める部分は、Tハンドル。
ここを他の工具に交換することが、最も現実的な解決策である。

ドブリー・クアトロは、市販品の工具に連結できることが最大の特徴のため
軽量化に使える工具は、正直、無数にある。
色々試した中で、バランスが良く、お勧めなのがこちら。

第一印象は、干し柿的な(爆)

ソケットに、1/4”ドライブのTハンドルを用いたもの。
おそらく、世の1/4”Tハンドルの中で最も軽量、コンパクトと思われる。

具体的には、『ドブリー・クアトロソケット DC-S01』に
『コーケン 2756Z-3/8』(3/8”⇒1/4”変換クイックスピンナー)
『コーケン 2785KR』(1/4”スライディングTハンドル)
をつなげたものである。

3つの部品を連結。ガタもなく、はめ合いは最高。

取り扱いの実際は、かなり軽くなった印象。
具体的な重量を測ってみた。

およそ、35%の減量。

重量は、オリジナルの127gから、83gへ軽量化。
この重さなら、一般のチューニングキーから持ち替えてもあまり違和感はないであろう。
これくらいの軽さがいい!という方も、結構いらっしゃるかも知れない。

オリジナルと比べ、すべてシルバーとなり、スタイリッシュ。

重さがソケット縦軸に集中することにより、テンションボルトの
角頭へのはめやすさは維持しつつ、ハンドルが圧倒的に軽い。

もちろん、Tハンドルはスライドする。

チューニングの際に、キーリングが邪魔であれば取ってしまっても良いし
そのままにして、キーホルダーとして、カバンやベルトにつけることもできる。

ウォレットチェーンに付けたり

ドラムバッグにひっかけたり

短所としては、Tハンドルが中央で固定されるスペックではないことと
テンションが結構高くなってくると、指に負荷がかかる点。
それでも、一般のチューニングキーに比べれば、負荷は全然マシだと思う。

実際、とあるユーザーの方は、ソケットにKTCの1/4”工具をつなげて
利用していただいている様子。
とても良いアレンジだと思います。

ドブリー・クアトロは、ソケットだけでも単品購入できますので
購入をご検討の方は、公式ウェブサイトの問い合わせから、お気軽にご連絡ください。

2023/10/12

プロラケのゴングケース

肌寒い季節となり、本格的な秋の到来を実感するこの頃。
毎年、秋になると俄然ドラムを叩く気になってくる。
“栗の花の匂いが、そうさせている説”を個人的に提唱しているが
それはたぶん違う。

さて、唐突ながら、我らがProtection Racketの
銅鑼(ゴング)ケースのご紹介である。

さすがに銅鑼は所有していないが、これは
シンバルケースとして導入したものである。
熟慮を重ねたのちに、本来のシンバルケースではなく
ゴングケースを選択した。



中はモフモフ素材の内装のみ。
フリース素材のシンバルデバイダーは付かない。
ハイハットスペースなどの別ポケットも無しの、シンプルな形状である。


なぜに、シンバルにゴング用のケース?と思われるかも知れない。
わざわざゴングケースを選んだのは、以下のメリットがあるため。

・軽量
例えば、プロラケの24インチのシンバルケースは
重さが約3キロあるらしいが、これは1.5キロ。
つまり、同サイズのシンバルケースの約半分の重さで軽量である。
ハイハットポケットなども無いため、逆にそれが軽量化につながっている。

・サイズ
内寸が同サイズのシンバルケースと比べて、1インチほど大きい。
例えば、24インチのシンバルケースの内寸は24.5インチだそうだが
こちらは内寸が25.5インチである。
やや大きめの形状のおかげで、出し入れが楽。
あとは、内寸に余裕がある故に、ジッパーがシンバルのエッジを傷つけない。

・厚さ
ケースの寸法の厚みが10センチほどあり、シンバルケースよりもやや厚い。
そのため、形状的に厚みが出るチャイナシンバルを入れるときに重宝する。
さらに、厚みに余裕があるので、シンバル同士を圧迫しない。
あと、底部にプロラケAAAばりに板が入っており、補強されている。
(シンバルケースにもあるのか?確認したことはないけど)

・価格
同サイズのシンバルケースの2/3以下の価格で、お買い得。


プロラケお得意の、フカフカなシンバルデバイダーが
付かないのはデメリットだが、個人的にはそこまではいらないと思っている。
代わりに、シンバル同士の間には、クッション性のある
薄めのポリウレタンシートを挟んでいる。
まぁ、デバイダーが欲しければ、別売りで購入して装着することもできる。

あと、ショルダーストラップもつかないが
15キロくらいあるシンバルバッグを肩にかけて移動することはしないので
ショルダーストラップがなくても、無問題。


ちなみに、いつもやっていることだが
バッグの底部に、厚めのウレタンフォームを入れておいた。
シンバルは丸いので、最底辺部の局所に圧が集中してしまう。
そこがバッグのダメージが来たしやすいので、同部位を補強。

現状で、よく持ち運ぶ、ライド、クラッシュ×2枚、ハイハット×2枚(上下)を
入れているが、当然まだまだ入りそうである。



プロラケAAAのセミハードのシンバルケースとも迷ったけど
圧倒的に軽いこちらにして良かった。

ちなみにこのゴングケース、サイズのバリエーションは
20インチ~50インチまで(!)ある。
26インチのモデルもあるので、26インチシンバルを持っている人にもおすすめ。

亀仙人のように背負うのも良し、カートで運ぶのも良し
車に乗せるのも良しである。
毎回の運搬が楽しみ(?)となった。

2023/09/24

長尺ケース

スタジオ入りするときは、なるべくスタンド類を持参する私。

スタンド類を持ち運ぶためには、基本的に折りたたむ必要がある。
シンバルスタンド、ハイハットスタンド、スネアスタンド
さらに全持ち込みの場合は、ドラム椅子のスタンドも。

折りたたむ時は、三脚を閉じ、パイプを短縮して、という作業が必要となるが
中でも、最も面倒なのは、ハイハットスタンドだろう。
上部パイプを外し、ロッドも取るなど、分解する必要がある。
使用するときは、また一からの組み立てと高さの設定をしなくてはならない。

めんどくさがりな自分は、スタンド類をいちいち折りたたんで収納したくない。
そういう作業はせずに、さっと三脚だけ畳んで
そのままケースに放り込むことが、理想である。

長く伸ばしたスタンドをそのままの形で収納するためには
ケース自体も、全長が長い、長尺のものが必要となる。
ということで、スタンドを極力伸ばしたまま、収納できるケースを探してきた。

世に出ているドラムハードウェア用のケースは
ほとんどが、全長70~100cm前後。
120cm以上の長尺のケースはなかなか無い上に
あったとしても、横幅も大きい、大がかりなものしかない。

そのため、ドラム以外の他業界の長尺ケースを探索した。
長いものが入るケースを、身近な分野で色々検索してみたら
予想していた以上に、種類が多かった。

 ・キーボード・ケース
 ・PA関連のスタンド類のケース
 ・釣り竿ケース
 ・ゴルフバッグ
 ・ガン(銃)ケース


など、意外にも、選びたい放題である(笑)。

100cm以上あるスタンドを、そのままぶち込めるケースとして
ガンケースも堅牢でなかなかよさげであったが、結局はPAスタンドケースを選択。

そして実際に、現在使用しているものが、Adam Hall社の
「Gravity スピーカースタンドバッグ ロングタイプ」

『Gravity GBGSS2LB』

『Gravity GBGSS2LB』

120cmのものまで収納可能。緩衝剤として厚めの15mmウレタンが入っており
中にはディバイダ―もあり、クッション性もバッチリ。
スタジオ練習や、ライブなどで活躍し、もう5年くらい使っている。

見た目は地味だが、内部は蛍光グリーンで、視認性もとても良い。


ここまで丈が長いと、一番面倒だったハイハットスタンドは
ロッドも付けたまま、フットボードだけ畳めば、収めることができる。
またシンバルスタンドも、上部ポストだけ少し引っ込めれば、収納可能。

ここまで長いスタンドが

そのまま入ります。

120cmギリギリまで詰め込めます。

ちなみにスネアスタンドも、同時収納している。
フラットベースタイプのシンバルスタンドなら、あと2~3本は入りそうである。

まだまだスペースの余裕あり。

長尺ケースの最大のメリットは、組み立て時の
スタンド類の高さ設定が、ほぼいらないこと。

上記のセットの場合、ハイハットスタンドとスネアスタンドは
ただ3脚を広げるだけで、自分に合った、いつも通りの高さ。
シンバルスタンドは、最上ポールだけ少し伸ばしてやれば良い。

ハイハットスタンドはごついが、その他は軽量フラットベース

このバッグ、肩掛け用のロングストラップが付かないのが欠点だが
基本車で持ち運ぶので、そんなに問題にはならない。
また、幸い、手持ちストラップが長めで、肩にかけることができる。


同様の長尺ケースは、他にも様々な種類が販売されているので
運ぶ容量に見合った選択をすると良い。

ドラム用のいわゆる“棺桶ケース”のように、全て積み込むと
1人では持てないほど重くなるので、車での移動にしても
いくつかの長尺ケースに分けると、運搬も楽になる。


という訳で、長尺のまま、そのまま収納できるケースを導入したところ
とても快適になりました。

ドラムメーカーさんも、『ハードウエアケースの長尺版』の開発も
ぜひご一考ください。

2023/08/20

Tハンドルツールの構築

近頃、ドラムのヘッド交換やチューニングをする機会が増えている。

そこで、普段から愛用している、“スライディングTハンドル”に加えて
通常のTハンドルハンドツールも、もっと活用すべく
以前からやりたかった、グリップテープを巻くことに。

Tハンドルハンドツールとは、通称竹とんぼTハンドルなのだが
同様のコンセプトの、某社のドラム用某Tハンドルがあるので
ドラマーで実際に使っている人も多いのではないかと思う。

一方で、3/8インチ規格で開発された、ドブリー•クアトロソケットを用いれば
市販の3/8インチの工具を使って、チューニング用の竹とんぼTハンドルを構築できる。

実際の組み合わせは、こんな感じ。
『Tハンドルバー』+『エクステンションバー』+『ドブリー・クアトロソケット』
の組み合わせ。


エクステンションバーには様々な長さがあり、個人の好みに合わせて
自由に長さをカスタムできる点も、既製品にはないメリットである。
私の場合は、250mm長のものをチョイス。


3/8インチ規格なので、ずっしりと重い。
もちろん、この状態でも使えるのだが、より回しやすくする目的で
今回、テニスラケット用のグリップテープを巻く。

使用したのは、ウェットタイプのグリップテープ。


全体的に一回巻いて、実際によく回す上部は
軸の太さを出すために、3重に巻いた。


グリップテープを施すことにより、使いやすさは天と地の差。
思っていた以上に、使いやすい。

例えば、ヘッド交換などで、テンションボルトをすべて外したいときなどに
有用で、一気にテンションボルトを外すことができる。
もちろん、電動ドリルを使ってもいいのだが、Tハンドルは
充電や電力を全く気にしてなくて良いのが、大きなメリット。

むしろ、電動ドリルよりも作業が早いのではないかと思う。


既存品との違いだが、既存品は1/4インチ規格のため、軸が細い。
重量が軽い点は良いものの、その軽さ故に、軸が定まらずふらふらし
また遠心力がないため、何度も回さないといけない。

それに対して、この3/8インチ規格のものは
1/4インチの既存のものと比べ、軸が圧倒的に重いため、ふらつきが少なく
その遠心力を生かして、少ない手回しで
テンションボルトが完全に外れるまで回り続ける。

なおかつ、二重四角のソケット形状により
テンションボルトの頭角への嵌め合いもスピーディー。

素晴らしく、回しやすい一品になりました。

2023/07/24

リエッジ・プロジェクト

ほぼ10年前に作った、このスネア。
14インチ、メイプルシェル、10テンション。


ドラムに秘められた可能性を、さらに追及すべく
一般的なベアリングエッジとは一線を画す
新しいエッジ形状を模索していた頃に作ったもの。

“ドラムヘッドとの密着度は高めた上で、ヘッドをバウンスさせる”
というコンセプトでベアリングエッジをデザインして
実際に具現化できた点は良かったが、なにせ音は全然気に入らなかった。

という訳で、ここらでエッジをリニューアルすることに。

どのみち、これは実験モデルであり、気に入らなければ
ベアリングエッジを切り直すつもりでいたので、深さ7インチで作っておいたのだ。
エッジを作り直しても、深さ6.5インチになる。

まずは、既存のエッジの切り落とし。
これをサンディングでやると死ぬほど大変なので、ノコギリで切り落とす。
しかし、これもまた、結構大変な作業だった。



エッジを切断後は、切断面の水平出し。
グレード00の石定盤を使って、完璧な水平に仕上げる。



その後は、ベアリングエッジの切削。
今回新しいルータービットを導入し、その間アイディアを温めておいた
全く新しいエッジタイプに挑戦。


ルーターで切っただけでは、まだ未完成。研磨をしないといけない。
切れまくるビットなので、エッジのとんがりもすごい。

サンディングを行い、エッジトップに少しアタリを付けると共に
表面を塗装していると思わせるくらい、滑らかに研磨する。

そして、無事に、設計通りのベアリングエッジの仕上がりとなる。


そして、各種パーツを取り付け。
もうスタンダードとなっている、ボルト関係の締め付けトルクの統一。
スクリュートルクは、すべて1.4Nで揃えた。


今回も実験なので、古いヘッドを付けようと思っていたが
新しいエッジの音を最大限評価すべく、トップもボトムも真新しいヘッドに。
新品ヘッドのパリッとした音は、最高である。



そして、完成。
しつこいようですが、ロゴバッジは、“仮”です。


いざ、スタジオで試奏。
うむ、一番気になっていたタッチは以前よりも良くなった。
良い音で鳴るけど、チューニングレンジは思ったよりも、狭い。

プレスフープとダイキャストフープのどちらも試したけど
結局、プレスフープのオープンさがあったほうが、このスネアには合ってるかな。


試したいエッジ形状が、あと4種類くらいあるが
ここから、さらに変えてみようかと。

2023/05/21

久々のレストア

やむを得ない長期間の保管により、状態が悪くなり
調整が必要となった、こちらの小口径スネア。

もうなんだかんだで、10年選手である。
活用の出番が来そうな感じもあり、久々にレストアを行う。

ドラムのレストアのコースは、自分の中で「松・竹・梅」に分けており(爆)
今回は竹コースで実施(謎)。


今回、初めてMeguiar's製のメタルポリッシュを試してみた。
海外のドラムビルダーたちがよく推奨しているやつ。


うーん、使ってみた感じ、個人的には普段使っているやつのほうがいいかな。
固形ポリッシュなので、ラグなどの立体構造に塗るには伸びが悪いかも。
もちろん、つるぴかになることに遜色はないのだが。


惚れ惚れするピカピカ具合。
写真にはないけど、フープなども全て研磨した。

この機会に、ラグのスクリューも全交換する。
オリジナルのステンレス製スクリュー&ワッシャー。


金属部品は、すべてシリコーンコーティングを行う。


金属部品がすべて仕上がり、シェルも磨いた上で、組み立てへ。
新しいスクリュー&ワッシャを装着。
もちろん、ラグの締め付けトルクは厳密に統一。



そして、完成の図。


磨くことにより、汚れを落とし、コーティングも施されているので
酸化は極力防止できるでしょう。

“高音だけでなく、低音や容積感も併せ持つ”という設計が
コンセプトの、この小口径スネア。
このヒップなサウンドを生かした、新鋭のセットを計画中である。

2023/01/29

オフィシャルロゴ

 10年ぶりに、ブログのタイトルロゴを変更いたしました。


末永く、よろしくお願い申し上げます。