2018/07/28

Hidden treasure "MZ-5314D"


PearlのMZ-5314D。
学生時代に一生懸命アルバイトをして、オーダーして手に入れたもの。
もうそろそろ20年物か。

当時はまだ千葉県・八千代工場で作っており、現在では貴重となった国産スネアである。
国産時代に限らず台湾製も含めて、Pearlのメイプルシェルのクオリティは、国内随一だと思っている。
採用している木材、構成、接着が他社と一線を画し、非常にオリジナリティが高い。

最近限定で復刻したらしく、同じスペックのスネアを楽器店でチラチラ見かける。(ちょっと感動)
このスネアは、メイプル厚胴・ダイキャストフープ仕様とキャラクターがはっきりしている。
このように個性が立っている楽器が好きだ。

このスネアは自分の中のひとつの基準になっている。
しかし、ヘッド、スナッピーなどを替えていくと、いまだに新しい発見がある。いまだに飽きない。
このスネアだけは、ドラムを辞めても手放すことはないだろうと思うくらいに、思い入れを持っている。

明日のバンド練習に持ち込む。

2018/07/22

夏休み工作2018 シリーズその4

さて、今回修理したかった内容のひとつに、「フレームの矯正」がある。
使い込まれていたせいか、フレームが少し横に広がっていたためである。


上記写真のように、フレーム支柱間のRocker shaftが入る部分は
60年代~90年代最終型ともに、通常は“8cm”である。

使い古されたvintageのSpeed kingは、たまにここの間が広がってしまっている個体がある。
長年力が加えられ変形してしまったのだろう。
自分のものも同部位が8.2cmまで広がっており、rocker shaftが左右にぐらつく事案が発生していた。
ペダルの状態、つまりカムやrocker shaftが組み込まれたままだと、物が間に挟まっているため、矯正することができない。
従って、分解時にここぞとばかりに修理する。


Speed kingのカイロプラクティック状態(笑)。
向きを交代しながら、両方からバランスよく圧力を加えることが大事。
無事に“8cm”に落ち着きましたとさ。

夏休み工作2018 シリーズその3

絶賛レストア中のSpeed king pedal。

大体分解できたのだが、フレームの両側支柱とRocker shaft(カム部分)の分離で
思わぬ壁にぶち当たる。


ここは写真のように、スプリングピンで固定されている。
理論的にはポンチを用いてハンマーで叩けば
容易に外れるはずなのだが、これがなかなか外れないのだ。
万力で固定し思いっきり打撃を加えても、ポンチが陥入さえしない。
もちろん潤滑剤を使用してもダメ。場所が場所だけに、非常に作業もやりにくい。

50年近くはまっており、完全に固着してしまっているのが原因と思われる。
2日ほど悩み頭をフルに回転させ、一休さんばりにアイディアを思いつく。
方法は良かったのだが、これが非常にイライラさせられる作業で
Fワードを連発しながら作業(笑)。


最終的にはうまくいき、やっとこさスプリングピンを外すことができた。


はずれたRocker shaft。
洗浄、研磨し、シリコンコーティングを施した。
この際、ビーター留め蝶ネジの雌ネジ部分もしっかりと洗浄。


中に入っていたカム本体も洗浄、研磨、コーティング。
フレームの支柱にスプリング付きの金属ロッドが入っており
それがカムによって下方に押される機構なのだが
ロッドの先端が当たる部分が削れて、光っているのがわかるだろうか。

ちなみに90年代の最終型Speed kingのカムは、上の皿部分はなくなっている様子。
(機構上、有っても無くても変わらない部分なので。)

2018/07/21

夏休み工作2018 シリーズその2

ネジやボールベアリングの設計を構想中のため、とりあえずできるところから作業を進める。
まずはSealing capのお掃除。左がbefore、 右がAfter。



両方つるピカになりました。


Speed kingのConnecting linkは、以下の写真のように曲がっていることが多々ある。

(※ネットから拝借した画像)

ここは元々は真っ直ぐになっているパーツ。
このリンクが曲がってしまう理由は、ビーターのシャフトの先端が当たって
演奏の度に力が加わり、徐々に曲がっていくためと推測する。
実は曲げることによりフットボードの角度を調節できるという副産物もあり
わざと曲げている人もいるかも知れない。

今回リペアする70年代Speed kingも、ここの部分がやや湾曲しており
この際、標準仕様に戻すことに。



万力を使うと意外と簡単に戻せるんですよ。
気持ちいいほどに、ストレート。

夏休み工作2108 序文


複数所有しているうちの最も酷使されて状態の悪い、70年代のSpeed king。

元々はニューヨークの音大の教授から譲り受けたもので、使い込まれていたのか
かかとのヒンジはガダガタ、connecting linkもユルユルで
Speed kingのドライブは楽しめるものの、演奏しててとにかくパワーが逃げまくる。

そろそろ整備の必要性を感じていたので
今回最も具合の悪いこいつをフルリペアすることに。

さらに、ガタを最大限排除するためのカスタマイズを施す。