2022/07/15

樋口宗孝スティック研究 その①

ドラムを始めたばかりの人は、自分にどんなスティックが合っているのか
その判断材料すらない訳で、スタンダードと呼ばれるものを使ったり
有名ドラマーのシグネチャーモデルを使ったり
はたまた、安いスティックを使ったりすることが一般的である。

経験を積むうちに、スティックの取り回しやすさや、手の中でのフィット感、
リバウンドの拾いやすさ、叩いたときの音色、などの判断基準が生まれてきて
徐々に、自分の好みが分かるようになる。

自分は、ドラムを始めたての頃、しばらく台湾製の安いスティックを使っていたが
アメリカへ遊びに行ったときに、Zildjian Drumsticksの
細い6Aから16mmくらいのRockシリーズまで買ってきて
ちゃんとしたスティックを色々試して、模索したことを思い出す。

そして、最初に自分の定番となったものは、Promarkの『420 Mike Portnoyモデル』


決してテクニカルプレイをやっていた訳ではないのだが(汗)、これがしっくりきた。
ナイロンチップで、口径13.5mmとやや細めのモデル。
ライブなども含めて、しばらくメインとして君臨した。

そして、しばらくした後、Pearlの『樋口宗孝モデル』に出会い
口径の太さと、先端寄りのウェイトバランスがクセになり
15mm径のスティックにハマったものだ。
オーク、メイプルなどの素材違いや、同口径の他のモデルなど、色々試し
やっぱり、ヒッコリーの樋口モデルが至高、となった訳である。

先日、このようなブログ投稿をしたのだが
その後数名の心優しい方々から、樋口モデルに代わりとなりうる
ドラムスティックの情報をいただいた。
それは、Vater『Universal』と呼ばれるモデル。

Vater 『Universal』

Vater社の公式ウェブサイトでは、以下のサイズとのこと。

 Length  16" = 406.4mm
 Grip 0.595" = 15.1mm

樋口モデルは全長410mm、口径15.0mmであり
長さと口径はわずかに異なるものの、近似しているサイズである。
さらに、Sturdy neck and rounded ball/barrel hybrid style tipとのことで
まさにその通りで、樋口モデルにクリソツ。

ネットで調べた限りでは、Vater社は昔Pearlのアメリカンシリーズの
生産を請け負っていたそうで、現行ラインナップに
その名残のモデルがいくつか残っている、とのことだが、本当だろうか。

故・青山純さんが樋口モデルの愛用者だったことは有名な話であるが
Vaterの青山モデルの左手用は、まさにUniversalとのこと。

Vaterのスティックは、昔Chad Smithモデルを少し使用していた経験があるが
木目が揃っており、材質が良い印象。仕上げも丁寧。
Universalは楽器店の店頭でチェックしたことはあったのだが
実際に入手して、じっくり試してみた。

形としてはほぼ似通っており、遜色ない印象。
しかし木材が同じヒッコリーでも樋口モデルよりも粗なのか、重量が軽い。
現行の樋口スティックで言うと、国産の111HCよりは
アメリカ産のSTH111に近い感触。

練習パッドでじっくり叩いた感じだと、あれ、不思議。
あまり違和感がなく、結構叩きやすいかも。
次に、実際のドラムセットで叩いてみたが
やはり樋口モデルのほうが芯のある音が出るが
装飾符などは、逆にUniversalのほうがやりやすい...。

素人が使う範囲内としては、遜色なさそうな印象である。
もし樋口モデルが入手できなくなったら、十分に代替となりうると判断。

いやはや、目から鱗でした。
ありがたいです。

(続く)

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