2020/07/31

チューニングキー話 その③

まさかのチューニングキーネタは続きます。

“チューニングキーってすぐ無くすんだよね~”という話をよく聞くんだけど
ドラム始めて以来、悪いけどチューニングキーを無くしたことはない。
(むしろ知らないうちに増えている)

無くしにくい理由としては
・ドラムケースの中のチューニングキーを納める場所を決めている
・チューニングキー専用のケースに入れている
・タイコに挿しっぱなしにしない
・いつも二対ペアで使っている
などによると考える。
その中でも、専用ケースに入れて運ぶ、という点が実は重要なのかも。

ところで、チューニングキーがほどよく収まるケースって、実はなかなか難しい。
学生時代は、以下のMDケースを改造して入れていた。

※ネットから拝借

もう20年前のものなのに、検索かけたら出てきてワロタ。
ヴィレッジバンガードとか、その辺の店で売ってたもの。
ドラムキーを収納するのに適度な大きさと厚さであり
MD収納ページごとにキーが入るという優れものだった(笑)。

その後も、事あるごとに財布や小物入れなど
チューニングキーを入れるのに具合がいいものをチェックしてきた。

現状で使用しているものは、これ。
無印良品のキーケース



たぶん廃番品。なんか投げ売りされていて、激安で買った記憶が。
クッション性もよく、素材がナイロンで柔らかい。
内ポケットがついており、キーの種類を分離して収納可能。


キーリングがあるので、ドラム用耳栓もセットして基本ツールケースとして完成。


次に、京都で買ったガマ口財布





ガマ口というのは、
・大きく開くので、物が取り出しやすい
・マチがあるため、厚みがあるものも入れられる
という意味で、チューニングキーを入れるのに最適ではないだろうか。
お試しあれ。

ほんとは釣り道具のように、大きめのケースに
様々な種類のチューニングキーを入れて持ち運ぶのが、便利でかっこいいんだろうけど
荷物は最小限にしたいので、小分けで必要なものだけ運んでる次第。

ドラマーって、チューニングキーにメトロノームにアダプタにスティックに、と
割と小物を多く持つので、アタッシュケース派、リュック派など
皆さんいろんな小物カバンを使っていらっしゃる。
自分もPCケースだったり、工具ケースだったりいろいろ試した口。

自分に最適なケースを見つけるのは、なかなか楽しい作業です。

チューニングキー話 その②

ハイテンションなドラムキーをよく使うものの
ポケットに入らないほどデカいので、特にスタジオなどの出先では
一般的なチューニングキーも使わない訳ではない。

一般のドラムキーであれば、EVANS社の『DADK』一択。
最近はこのDADKのような、ごつめのチューニングキーも増えたが
発売された当時は、このようなタイプは画期的だった。


至高。とにかく手に馴染む。
羽の先が丸いこと、回転方向の凹みなど、指にすっと馴染むデザイン。

全体的に重めにできており、それがまた安定的な回転にもつながる。
本当によく考えて作られた物だと思う。


左が第一世代で、右が第二世代。
右側のやつには、“米国”と書いているが、それはアメリカで買ったから(笑)。

発売開始して、かなり早期からデザインの変更があったが、なぜ変わったのかは不明。
真ん中の窪みの部分で折れるクレームでもあったのだろうか(?)。

ずっと第二世代だと思ってたら、最近は第三世代に変わったらしい。
以下が最新版の形である。

やたらシンプルになってしまったのは、なぜに...?

ちなみに穴部分が切削かどうかについては。


もちろん、こちらも切削型である。

このチューニングキーはマグネットが仕込んであるため
チューニングボルトに挿しておけば外れにくいという利点も持っている。
あんまりその恩恵にさずかったことはないのだが...。

チューニングキーって、ちょっとした小物だけど、ドラムにとっては
無くてはならない存在で、なんだか工具のロマンに通ずるものがある。
いつかはオリジナルのチューニングキーを開発したい。

2020/07/29

テンション高いチューニングキー

前回チューニングキーについて記述したが
チューニングキーのバリエーションというものは
ひと昔前と比較にならないほど、本当に多彩となった。

Tハンドルやラチェットタイプ、はたまた左右非対称の形のものなど。
現代のドラマーは以前よりも選択肢が広がって、とても喜ばしい状況と言える。

選択できる幅が広く、価値観も多様なので、基本的には
それぞれ自分が使いやすいものを自由に使えばいい。

そんな中、個人的に愛用しているのは、Premier社の『618』。 
“ハイテンションドラムキー”と呼ばれる部類。



ドラムメーカー各社が、同じようなハイテンションドラムキーを販売しているが
これはオールブラック塗装で精悍なイメージ。
さらにハンドルにラバーコーティングがされており、手に優しい。
また、デカイから見つけやすいし、まず無くさない(笑)。


ハイテンションドラムキーは、マーチングスネアドラムの
ハイテンションなチューニングを目的に売られているが
もちろん、通常のドラムにも使用できる。

小さいチューニングキーを指先で回していくのは、たまにストレスフル。
一方で、このドラムキーはレバーが長いために、テコの原理で回転させる力が少なくて済む。
マーチングドラムより圧倒的に低いテンションの一般のドラムのチューニングにおいては
より軽い力で回せるということである。

ハイテンションドラムキーと言えば、以前はDW傘下の
PDP社のハイテンションドラムキーを使っていた。



ドラムテックがよく使うよ!という売り文句の(?)、DWのハイトルクドラムキーと同サイズ。
DW製は黒だが、黒より黄色の方が目立つよなと思い、こちらを選択。

これもそれなりに気に入ってたが、結局は、さらにデカいほうが実用的であることが分かり
スイッチした次第。


このように、ハンドルの長さが2倍もある。

さて、大きいチューニングキーほど、テンションボルトを回す時のトルクを感じやすく
それが利点とされているが、一般的にはその理解で正しい。

但し、それはあくまでフープに曲がりがなく、テンションボルトも
きちんとメンテされたドラムでの話。
テンションボルトが錆びてるわ、ちゃんと注油されていないわだと
同じテンションであってもトルクにばらつきが出てきてしまうことは、想像に難くない。

従って、ドラムのチューニングにおいては、トルクが基準ではなく
あくまでヘッドのテンションが主体であるべきと思う。
(ラチェット型チューニングキーを使わないのも、その理由である)

ちなみに使用するドラムキーの最低条件として
四角穴が鋳造型ではなく切削型であること、というポイントがある。

安売りしているチューニングキーなど、たまに鋳造型があり
それらは使っているうちに、四角穴が負けて広がってきてしまう。
金属以外でできた樹脂製のチューニングキーも同様である。

今回のドラムキーはどちらも切削型。



ステンレスなど、剛性の高い金属で作られているとなお良し。

チューニングキーネタは続く。

2020/07/17

チューニングキー界隈

古典的なドラムアクセサリーであるチューニングキーも
知らないうちに進化を遂げているもの。

最近はラチェット機能のついたものが充実している傾向にもあるが
今日は、日本でほとんど知られていないと思われる、珍しいものをいくつか紹介したい。

台湾のドラムメーカー、Dixonの『Multi-Functional Drum Key』

https://www.playdixon.com/product/pake-dix/

一見フツーのチューニングキーにも見えるが、これはありそうでなかった逸品。
Ergonomicデザインである点だけでも評価できるが
つまみの部分にラバーがついている点は、よく考えて作られている。

そして何より、つまみ部分に“六角ビット穴”があることが最大の特徴。

https://www.playdixon.com/product/pake-dix/

付属の六角ビットを付けることにより、突然ドライバーに大変身。
ラグやペダルなどにドライバーが必要になったときに、チューニングキー1個で事足りる。

https://www.playdixon.com/product/pake-dix/

そして、電動ドリルに六角ビットを付けることにより
電動のチューニングキードリルとして使える。

https://www.playdixon.com/product/pake-dix/

“ドリルビットドラムキー”というものが既にマーケットには普及しているが
通常のチューニングキーにドリルビットの機能を兼ね備えたものは珍しい。
ひとつの個体に様々な機能を集約したアイディアには脱帽。


そして、ヨーロッパ勢からはTQ Drumsの『AereO-Key』
こだわり職人によるイタリア製。(ハンドメイドっぽい)

https://www.tqdrums.com/en/aereokey-en/

飛行機みたいな形が面白い。
取っ手の方の軸が太くなるデザインで、これにより非常に安定的に回転する。

そして、このチューニングキーの特徴は、磁石が付いているところ。
スタンドなどに張り付けられる磁石付きのチューニングキーは既に存在するが
この製品の面白いところは、ヘッド部分に磁石が付いていることである。

No photo description available.
ttps://www.tqdrums.com/en/aereokey-en/

キーのヘッド部分に磁石があることにより、スタンドのみならず
幅の狭いドラムのフープにも邪魔にならず付けておくことができるのだ。

さらにそれに留まらず、この磁石部分に角度の目盛りが付いている。

https://www.tqdrums.com/en/aereokey-en/

https://www.tqdrums.com/en/aereokey-en/

最初ラチェット機能かと思ったら、どうやらこの角度目盛りを利用して
“正確な角度でキーを回せる”という機能である様子。
(詳細はウェブサイトの動画を参照)

この効果については、回す角度よりもエッジにかかるテンション(音)のほうが大事だと思うので
果たしてどうだろうと思う部分はある。
しかしながら、一度合わせたテンションを均等に上げ下げしたい時には有効かも知れない。

なかなかのエポックメイキングな商品たちの登場により
ニッチなチューニングキーマーケットにおいて、静かなムーブメントがあることが面白い。
いずれも日本には入荷していないようなので、興味がある人はネット注文しましょう。

久々にまじめにブログを書きました(汗)。

※追記:Dixonの『Multi-Functional Drum Key』は、普通に島村楽器さんで売っておりました(再汗)。