2020/12/21

スネアドラムの小口径化

かつて、小口径のスネアドラムが人気を博した時期があったのだが
現在は以前ほど、10~13インチのスネアは売られておらず
専ら、標準的サイズである14インチのスネアのリリースがほとんどである。

14インチというサイズは、ドラムセットの中で最も理にかなっている感はあり
16インチでは股の間に置くには大きすぎるし
12インチだとセットの全体的なバランスから見て音圧的に物足りない。
歴史的にも、そのような流れを汲んで、14インチがスタンダートになっているのではないかと思う。

近年、Zikit Drumsというイスラエルの企業が開発した、スネアドラム用装具。
 『Zikit Pro-Kit』。

https://zikitdrums.com/collections/zikit-products/products/zikit-pro-kit


https://zikitdrums.com/products/zikit-pro-kit

非常に目新しく、最初はドラム用マイクか何かか、と思ったら意外なものであった。
レバー操作で14インチスネアから、12インチ、10インチ口径のエッジを
打面ヘッドにあてて、その口径のアタックを得るという代物。

https://zikitdrums.com/products/zikit-pro-kit

https://zikitdrums.com/collections/zikit-products/products/zikit-snare-drum

この製品のすごいところは、どんな人でも、正確な場所・高さに穴あけができるように
たいそう立派な治具が付いていること。
これにより面倒な位置合わせが不要となり、また失敗するリスクが少なくなる。

内部シェルはアルミダイキャスト製であり、レバー操作で上下できるようになっている。
小口径シェルが本来の14インチのエッジのヘイトを越え、ヘッドに接触する仕組み。
これにより、10インチ、12インチ、本来の14インチと3通りの使い方ができるようになる。

想像通り、小口径にするほど、高音域にシフトし、甲高いスネアサウンドになる。
YouTubeにも動画が多数上がっているので、そのサウンドも確認できる。
ドラムは他のメロディ楽器と違い、その口径、そのピッチが固定されてしまっている楽器。
それを瞬時に切り替えることができることは、革新的ではある。
多彩なスネアの音色を扱いたいドラマーにはうってつけであり
また荷物が減るというアドバンテージもある。

アイディアとしては、非常に面白い。
さて問題は、自分のスネアに穴まで開けて、このキットを造設したいと思う人が
どれだけいるのかということだ。

ドラムの構造的にこういうことができてしまうのであれば
ドラムの鳴る機構というものに、一石を投じる商品という気がしてならない。

2020/12/20

A lazy Susan

最近、最も早くドラムのトレンドを収穫できるのは、Instagramだと感じる。
もうインターネット検索よりも、圧倒的に出回っている情報が早い。
ネットブラウジングよりも、SNSの方が早い時代になってしまったのだ。

さて、そんなInstagramを覗いていると、とある楽器店のカウンターの写真に
ドラム用回転台がセットしてあるところを見かけた。
いつの間にこんな商品が?!と思って調べたのが、こちら。
DWCPJGTBL 『John Good Tuning Table』。


さすがは、DW社。商品ラインナップに抜かりがない。
自分が知らなかっただけで、4年くらい前から市販されている様子。
径22インチで、チューニングキーホルダーまで付いていて
さらにキャリングケース付き、という謎使用。Gigにも持って行けということらしい。

真ん中に、円形のカーペットが貼ってあるが
これは裏面をミュートする目的で取り付けてあるそうな。
回転部位には、お高そうな金属製ボールベアリングスイベルが付いており、回転は滑らかとのこと。
なかなかのお値段がするのだが、いい素材を使ってそう。

自分の場合は、最初はホームセンターで売っているTV用の回転盤を使用していたが
回転がスムーズではなく、またプラスチック製で土台として重みがないため
使用感が悪く、代替品を探していた。

その後、料理用と思われる、木製テーブルに土台部位が石でできた
回転もスムーズな、16インチ径くらいの素敵な回転台を入手して
チューニング台として愛用。
もう5年前の写真だが...。↓


チューニングはどうしても床に跪いてやりがちだが
高さのある台の上に置いて、立位でチューニングできると、非常に楽。
回転台があると、作業効率アップ、時間も短縮できて、おすすめである。

2020/08/22

ASAMAドラムをご存知ですか?

 海外にいると、日本では見かけないドラム機材に遭遇する。
日本では流通していないものだったり、domesticなメーカーだったりするのだが
イギリスのメルカリ的なサイトを眺めていて、気になったのが、これ。


『ASAMA percussion』とは、なんぞや?
明らかに日本風の名前だが、初めて聞いた。


Made in Japanで、70〜80年代モノらしい。ラグにまでASAMAと書いてある衝撃。
ファンキーすぎる。

調べてみたら、日本国内での情報は無し。どうも、海外で売られていたドラムらしい。
アメリカ、ヨーロッパで所有している人が多い印象。
ネット上では、スネアだけでなく、セットの写真も時折見かける。

情報を集めてみると、確証はないものの、どうも当時の星野楽器が作っていたらしく
海外向けのステンシルドラムの一部だったのでは、という説が有力。
確かに、見た目はTAMAらしい雰囲気がかなり出ている。

ステンシルとは、ひとつのメーカーが様々なブランド名をつけて販売していたもの。
60~70年代は、当時の伝統的なアメリカのドラムメーカーは初心者向けのキットを生産しておらず
音楽人気、バンド人気の需要に合わせて、各国のdistributorが日本製の安価なドラムを売りまくっていた。
西洋圏から見ると、ちょうど現在中国が安価なドラムを世界に供給している状況と同じであっただろう。
バリエーションを増やすために、製造元は同じでも、様々なバッジをつけて、異なるブランドのようにして販売していた訳である。

やがて自分たちのオリジナルのまともな(?)高級ラインのドラムを開発、販売していくようになり
それにより急成長したPearl、Tama、Yamahaなどの日本企業は
現在ではトップ企業として、多くのシェアを誇るようになっている。

台湾のドラムメーカーで、MapexやDixonが世界的メーカーに成長してきたように
現在は無名な中国の楽器メーカーたちも、近い将来、立派なドラムブランドとして名を馳せていくのかも知れない。

日本に限らず、各国の楽器製造会社の黎明期の謎のドラムは、非常に魅力的。
品質はもちろん現代のほうが優れているが、デザインや雰囲気など、学べる点は多い。

2020/08/19

ロンドンのDrum City

The BeatlesのRingo Starrが、Ludwigのドラムセットを購入し
1963年より使い始めたことは有名な話。

そのドラムセットを購入した楽器店は、ロンドンの『Drum City』という店なのだが
店舗がどこにあったのか気になっていたので、調べてみた。


そんな情報残ってるんかいなって思いながら
調べてみたところ、意外とすぐに分かった。


住所は、『114 Shaftesbury Avenue, London』。中華街とSohoエリアの間の道。
確かにもう少し先のSohoエリアは、楽器店が密集しており、ここにお店があったことは頷ける。
勝手に南ロンドン辺りにあったと思っていたのだが、お店は一等地にあったんですな。

丹念に調べたところ、住所が統合されて
現在ではどうも使用されていないHouse numberである様子。(現在は116)
実在した店舗の建物には、今はエステの店が入っている。

オープンは1950年代末だが、ロンドンで初めてのドラム専門ショップだったとのこと。
CreamのGinger bakerもよく来ていたらしい。
Drum City社長のIvor Arbiterが、Beatlesのロゴとして広く知られる『Drop T』をデザインし
バスドラムのヘッドに描かせたのは有名な話。


マネージャーのEpstainから依頼されたとき、IvorはThe Beatlesをまだ知らなかったそうな。
このIvor社長、面白いことに、日本のカラオケを初めてイギリスに導入した人物としても知られている。

ところで、いつも気になっていたことがあるんだが
浅草のドラム専門ショップ『ドラムシティ』は、ロンドンのDrum Cityとは
全く関係なく命名されたのであろうか。
いゃ、“わしらが日本のDrum Cityになるんじゃあ!”と名付けられたなら
ステキだなぁと思って。(爆)

2020/08/18

ブラスな人


ロックダウン中にロッカーダウンしてた。

無事だった...。

2020/08/10

Transparent Hoooooops

斬新なドラムを求めて、ネットを巡回してたら
キワモノを発見。




アクリル製のスネアフープ。
既存のウッドフープみたいな形状で作ってる。
ここまで分厚いと、さすがに割れないのかな?

音が想像できるやら、できないやら。

2020/07/31

チューニングキー話 その③

まさかのチューニングキーネタは続きます。

“チューニングキーってすぐ無くすんだよね~”という話をよく聞くんだけど
ドラム始めて以来、悪いけどチューニングキーを無くしたことはない。
(むしろ知らないうちに増えている)

無くしにくい理由としては
・ドラムケースの中のチューニングキーを納める場所を決めている
・チューニングキー専用のケースに入れている
・タイコに挿しっぱなしにしない
・いつも二対ペアで使っている
などによると考える。
その中でも、専用ケースに入れて運ぶ、という点が実は重要なのかも。

ところで、チューニングキーがほどよく収まるケースって、実はなかなか難しい。
学生時代は、以下のMDケースを改造して入れていた。

※ネットから拝借

もう20年前のものなのに、検索かけたら出てきてワロタ。
ヴィレッジバンガードとか、その辺の店で売ってたもの。
ドラムキーを収納するのに適度な大きさと厚さであり
MD収納ページごとにキーが入るという優れものだった(笑)。

その後も、事あるごとに財布や小物入れなど
チューニングキーを入れるのに具合がいいものをチェックしてきた。

現状で使用しているものは、これ。
無印良品のキーケース



たぶん廃番品。なんか投げ売りされていて、激安で買った記憶が。
クッション性もよく、素材がナイロンで柔らかい。
内ポケットがついており、キーの種類を分離して収納可能。


キーリングがあるので、ドラム用耳栓もセットして基本ツールケースとして完成。


次に、京都で買ったガマ口財布





ガマ口というのは、
・大きく開くので、物が取り出しやすい
・マチがあるため、厚みがあるものも入れられる
という意味で、チューニングキーを入れるのに最適ではないだろうか。
お試しあれ。

ほんとは釣り道具のように、大きめのケースに
様々な種類のチューニングキーを入れて持ち運ぶのが、便利でかっこいいんだろうけど
荷物は最小限にしたいので、小分けで必要なものだけ運んでる次第。

ドラマーって、チューニングキーにメトロノームにアダプタにスティックに、と
割と小物を多く持つので、アタッシュケース派、リュック派など
皆さんいろんな小物カバンを使っていらっしゃる。
自分もPCケースだったり、工具ケースだったりいろいろ試した口。

自分に最適なケースを見つけるのは、なかなか楽しい作業です。

チューニングキー話 その②

ハイテンションなドラムキーをよく使うものの
ポケットに入らないほどデカいので、特にスタジオなどの出先では
一般的なチューニングキーも使わない訳ではない。

一般のドラムキーであれば、EVANS社の『DADK』一択。
最近はこのDADKのような、ごつめのチューニングキーも増えたが
発売された当時は、このようなタイプは画期的だった。


至高。とにかく手に馴染む。
羽の先が丸いこと、回転方向の凹みなど、指にすっと馴染むデザイン。

全体的に重めにできており、それがまた安定的な回転にもつながる。
本当によく考えて作られた物だと思う。


左が第一世代で、右が第二世代。
右側のやつには、“米国”と書いているが、それはアメリカで買ったから(笑)。

発売開始して、かなり早期からデザインの変更があったが、なぜ変わったのかは不明。
真ん中の窪みの部分で折れるクレームでもあったのだろうか(?)。

ずっと第二世代だと思ってたら、最近は第三世代に変わったらしい。
以下が最新版の形である。

やたらシンプルになってしまったのは、なぜに...?

ちなみに穴部分が切削かどうかについては。


もちろん、こちらも切削型である。

このチューニングキーはマグネットが仕込んであるため
チューニングボルトに挿しておけば外れにくいという利点も持っている。
あんまりその恩恵にさずかったことはないのだが...。

チューニングキーって、ちょっとした小物だけど、ドラムにとっては
無くてはならない存在で、なんだか工具のロマンに通ずるものがある。
いつかはオリジナルのチューニングキーを開発したい。

2020/07/29

テンション高いチューニングキー

前回チューニングキーについて記述したが
チューニングキーのバリエーションというものは
ひと昔前と比較にならないほど、本当に多彩となった。

Tハンドルやラチェットタイプ、はたまた左右非対称の形のものなど。
現代のドラマーは以前よりも選択肢が広がって、とても喜ばしい状況と言える。

選択できる幅が広く、価値観も多様なので、基本的には
それぞれ自分が使いやすいものを自由に使えばいい。

そんな中、個人的に愛用しているのは、Premier社の『618』。 
“ハイテンションドラムキー”と呼ばれる部類。



ドラムメーカー各社が、同じようなハイテンションドラムキーを販売しているが
これはオールブラック塗装で精悍なイメージ。
さらにハンドルにラバーコーティングがされており、手に優しい。
また、デカイから見つけやすいし、まず無くさない(笑)。


ハイテンションドラムキーは、マーチングスネアドラムの
ハイテンションなチューニングを目的に売られているが
もちろん、通常のドラムにも使用できる。

小さいチューニングキーを指先で回していくのは、たまにストレスフル。
一方で、このドラムキーはレバーが長いために、テコの原理で回転させる力が少なくて済む。
マーチングドラムより圧倒的に低いテンションの一般のドラムのチューニングにおいては
より軽い力で回せるということである。

ハイテンションドラムキーと言えば、以前はDW傘下の
PDP社のハイテンションドラムキーを使っていた。



ドラムテックがよく使うよ!という売り文句の(?)、DWのハイトルクドラムキーと同サイズ。
DW製は黒だが、黒より黄色の方が目立つよなと思い、こちらを選択。

これもそれなりに気に入ってたが、結局は、さらにデカいほうが実用的であることが分かり
スイッチした次第。


このように、ハンドルの長さが2倍もある。

さて、大きいチューニングキーほど、テンションボルトを回す時のトルクを感じやすく
それが利点とされているが、一般的にはその理解で正しい。

但し、それはあくまでフープに曲がりがなく、テンションボルトも
きちんとメンテされたドラムでの話。
テンションボルトが錆びてるわ、ちゃんと注油されていないわだと
同じテンションであってもトルクにばらつきが出てきてしまうことは、想像に難くない。

従って、ドラムのチューニングにおいては、トルクが基準ではなく
あくまでヘッドのテンションが主体であるべきと思う。
(ラチェット型チューニングキーを使わないのも、その理由である)

ちなみに使用するドラムキーの最低条件として
四角穴が鋳造型ではなく切削型であること、というポイントがある。

安売りしているチューニングキーなど、たまに鋳造型があり
それらは使っているうちに、四角穴が負けて広がってきてしまう。
金属以外でできた樹脂製のチューニングキーも同様である。

今回のドラムキーはどちらも切削型。



ステンレスなど、剛性の高い金属で作られているとなお良し。

チューニングキーネタは続く。

2020/07/17

チューニングキー界隈

古典的なドラムアクセサリーであるチューニングキーも
知らないうちに進化を遂げているもの。

最近はラチェット機能のついたものが充実している傾向にもあるが
今日は、日本でほとんど知られていないと思われる、珍しいものをいくつか紹介したい。

台湾のドラムメーカー、Dixonの『Multi-Functional Drum Key』

https://www.playdixon.com/product/pake-dix/

一見フツーのチューニングキーにも見えるが、これはありそうでなかった逸品。
Ergonomicデザインである点だけでも評価できるが
つまみの部分にラバーがついている点は、よく考えて作られている。

そして何より、つまみ部分に“六角ビット穴”があることが最大の特徴。

https://www.playdixon.com/product/pake-dix/

付属の六角ビットを付けることにより、突然ドライバーに大変身。
ラグやペダルなどにドライバーが必要になったときに、チューニングキー1個で事足りる。

https://www.playdixon.com/product/pake-dix/

そして、電動ドリルに六角ビットを付けることにより
電動のチューニングキードリルとして使える。

https://www.playdixon.com/product/pake-dix/

“ドリルビットドラムキー”というものが既にマーケットには普及しているが
通常のチューニングキーにドリルビットの機能を兼ね備えたものは珍しい。
ひとつの個体に様々な機能を集約したアイディアには脱帽。


そして、ヨーロッパ勢からはTQ Drumsの『AereO-Key』
こだわり職人によるイタリア製。(ハンドメイドっぽい)

https://www.tqdrums.com/en/aereokey-en/

飛行機みたいな形が面白い。
取っ手の方の軸が太くなるデザインで、これにより非常に安定的に回転する。

そして、このチューニングキーの特徴は、磁石が付いているところ。
スタンドなどに張り付けられる磁石付きのチューニングキーは既に存在するが
この製品の面白いところは、ヘッド部分に磁石が付いていることである。

No photo description available.
ttps://www.tqdrums.com/en/aereokey-en/

キーのヘッド部分に磁石があることにより、スタンドのみならず
幅の狭いドラムのフープにも邪魔にならず付けておくことができるのだ。

さらにそれに留まらず、この磁石部分に角度の目盛りが付いている。

https://www.tqdrums.com/en/aereokey-en/

https://www.tqdrums.com/en/aereokey-en/

最初ラチェット機能かと思ったら、どうやらこの角度目盛りを利用して
“正確な角度でキーを回せる”という機能である様子。
(詳細はウェブサイトの動画を参照)

この効果については、回す角度よりもエッジにかかるテンション(音)のほうが大事だと思うので
果たしてどうだろうと思う部分はある。
しかしながら、一度合わせたテンションを均等に上げ下げしたい時には有効かも知れない。

なかなかのエポックメイキングな商品たちの登場により
ニッチなチューニングキーマーケットにおいて、静かなムーブメントがあることが面白い。
いずれも日本には入荷していないようなので、興味がある人はネット注文しましょう。

久々にまじめにブログを書きました(汗)。

※追記:Dixonの『Multi-Functional Drum Key』は、普通に島村楽器さんで売っておりました(再汗)。